はじめまして。昨年、編集のアシスタントとしてインセクツに入った油谷(ゆたに)と申します。今後ちょこちょこ皆さまの視界の端に映り込むと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。
私はクラブミュージックと呼ばれる低音がズンドコ突き上げてくるような音楽が好きでして、
昨年の秋頃でしたでしょうか、「2022年の年末でベルリンの名門クラブ・Berghain (ベルクハイン)が閉鎖するかも知れない」という風の噂を耳にしてからは、
スピーカーの前で爆音を浴びていてもどこか落ち着かず、
結局貯金の全額を突っ込み(つまりは大した額ではない)、インセクツ事務所の大掃除を諸先輩方に丸投げし、年末のベルリンへと向かったのです。
結論から申し上げますと、風の噂はやはりフェイクニュースだったのか、
Berghainの公式サイトには2023年2月分のスケジュールもアップされており、
大枚叩いて行ったのは一体何やったんや…
とは、実際のところ全く思っておりません。
「あのお菓子が今年で製造中止に」とか「80年続いた大衆食堂がついに閉店」とかいう類のニュースで売上がドッと伸びる、お客さんがワッと押し寄せる、
みたいなことってよくありますよね。
で、「なんでこんなええ商品(店)がなくなるんや…!」って、
そらアンタがこれまで金落とさんかったからやないかい、
って話なんですけども、
「なくなる」と思うと途端に味わっておきたくなる、それが人間ってもんなんでしょうか。
ホンマは、いつ、何がなくなってもおかしくないんですけどね。
やっぱり忙しさや何やにかまけて忘れてしまいますよね。
だからこそ、むしろ今回のフェイクニュース(?)には感謝してるくらいなんです。
じゃなかったら絶対ベルリンなんて行ってませんでしたから。
そう、やっぱりそれくらい素晴らしい音の体験でした。「2023年も生きよう」と思えるくらいに。クラブ体験の話は長くなるので、また機会があれば。
ちなみに私は「完全閉店セール!」って書いてあると、ついつい覗いてしまう人間です。そら風の噂に乗ってベルリンまで行きますわな。
油谷 佳歩(編集)