暮らしというのはif節の繰り返し。ifの中にifがあって、またその中にifが、と複雑に入り組んだ構文の中をそれぞれが今の最善を選んだり、選ばせられたり、そうやって日々を送っている。自由に見えても状況や立場が本当はいくつも選べるはずなのに、選べなくしている場合もある。これに苦しめられることは多い。だから、選べるという状況はとてもありがたい。大袈裟にいえば、好きに生きていいということだから。
そして、選ぶことを放棄するとすぐに反動が来るわけではないけれど、いずれしっぺ返しがやってくる。多分、間近に迫った選挙がそうだ。これまで選ばなさすぎて、大阪を含む地方では特に、「誰を選べばいいのか?」という状況(いや、大阪はもっとひどいか)で結局、これまで通りを選ばざるを得ないということは往々にしてあるだろう(どこかが圧倒的に強いという状況も「いろんな意見があるよね」を反映した結果とも思えない)。
だからこそ、ずっと先かもしれないけれど、選べる自由を獲得するためにも、どうしようもない中から、自分なりの最善を選び、行動することをやめない方がいい。
せっかくの選択肢が自分の手からこぼれ落ちないように。
松村貴樹(インセクツ代表)
第13回「選択」
2022年7月6日