先日、新型コロナウイルスで陽性となり自宅療養をしていた。
この病気、個人差があるが私は高熱と、喉の痛さが同率1位で辛かった。
高熱は、38度前半から39度前半を行ったり来たり3日程度体験。
終日首から上は熱さと頭痛で意識が朦朧とし、首から下は汗が止まらず、ずっと寒気がするという、上は大火事、下は洪水これなーんだ。と答えがお風呂のなぞなぞ逆バージョン状態に。
そこに加えて喉の痛さ。「あれ?ずっとまきびし飲んでる?」というくらい、唾や飲み物など何が通っても激痛が走る。痛すぎて声を出したいものの、喉が潰れて全く話せないため、小指をタンスの角にぶつけた時のように「スーッ」っと息を吸い上げることしかできなかった。また、最善の治療方法はとにかく寝て休むことと病院の先生から言われ、眠ろうとするも唾を飲み込むたびに激痛で目が覚め眠れず。体力の限界が来て気絶するように眠り、喉の痛みで起きるという体力的に辛い日々だった。
そんな悪夢のような日々を経験し、ガイドラインに沿って10日間外に一歩も出ていなかったため、発症から11日目体調ももとに戻ってきたので社会復帰も兼ねて家から5分程度歩いたところにあるスーパーへ買い物に出かけてみることに。
玄関のドアを開けた瞬間のモアッとした空気。肌が痛くなるほど照りつける日差し。あれ?こんなに今まで生きてきた世界ってしんどかったっけ?と汗を垂らしながらスーパーに到着。キンキンに冷えた店内で寒くなり、肩に力が入る。目的のものを購入し、また灼熱の道のりを通り家に着いた瞬間、目眩がして玄関でへたってしまった。少しそのまま横になり、喉が渇き先程買ったばかりのOS-1を無言で1本飲み干していた。
こんなにも体力が落ちていたのかと、情けなくなってしまった。
新型コロナウイルス感染で辛かったことランキング第2位は、想像以上の体力の低下だ。
想像以上の体力の低下で情けなくなった出来事をふと思い出した。
6年ほど前、雨あがりの下り坂をハンドルに傘を引っかけたクロスバイクで走っていたところ、誤って傘が前輪に挟まってしまいそのまま身体だけ飛び出し顎から落ちて怪我をしたことがあった。
痛みはないものの、顎が外れ救急車で運ばれ即手術。かと思いきや、外れた箇所が複雑なため手術は行えず、骨同士が自然と繋がるまで口が開かないように上下の歯をワイヤーでくくり、固定することに。
そこから1ヶ月間口を開かない生活がスタート。固形物が食べることができずウイダーインゼリーや、具のないお味噌汁でしのぎ、欠伸をするたびに口が開かないため涙しか出ないのでスッキリしない。口が開かない以外は問題がないので、仕事は普通に行うも電話対応もできないのに加え、誰とも話せないため筆談、もしくはLINEで返事。
今まで当たり前にやってきたことができない不便さにイライラとショックを受けながら治療し、1ヶ月後ワイヤーを外すことに。
噛み合わせも問題なく先生から「今日から好きなもの食べてください!」と言われ、この1ヶ月ずっと食べたかった大好物の豚骨醤油の家系ラーメンのお店に来店。いつも通り麺は硬め、スープは濃いめで注文。
出てきたラーメンの見た目に生唾を飲み込み、割り箸で麺をもち口に運び啜る。口いっぱいに広がる美味しさに涙が出そうになる。少し麺が長かったので歯で噛み切ろうとした時、違和感を感じた。下顎を上下に動かして何度も噛み切ろうとするものの噛み切れないのだ。
1ヶ月間顎を固定していたせいで、麺も噛みきれないほど顎の筋力が落ちていたことを知った。さらに今、口に入っている麺も硬すぎて飲み込むことができず仕方なく飲み込むことに。お腹は空いているため、何度も試してみるも麺を「もぐもぐ」ではなく「はむはむ」しかできず結局食べるのを断念。スープだけ飲み、店を出ることに。
お皿に残ったほぼ手付かずのラーメンを2度見して、僕の方に「え?何しにきたの?」みたいな表情で見てきた店員さんと、大好物を食べきれなかったことでこんなにも体力が落ちていたのかと、情けなくなってしまった。
そんなことも思い出し、体力を取り戻すために発症から14日目ジムの入会手続きを済ませた菅原でした。